人工透析とはどんな治療をすることになるのか、どんな種類があるのか、透析を始めるとどんな生活になるのか、考えれば考えるほど不安ですよね。
透析療法には血液透析と腹膜透析の2種類があり、ほとんどの患者さんが選んでいらっしゃるのは通院して行う血液透析です。
しかし仕事との両立や社会生活への影響を考えて、通院回数が少ない腹膜透析や、自宅で行う在宅血液透析、夜間行うオーバーナイト透析などの選択肢もあります。(ただし、これらの特別な透析を行っているクリニックは少なく、当グループでも透析中の患者の様子を見られる、通院しての血液透析のみを扱っております。)今回はそれぞれの透析方法の特徴やメリット、デメリットなどをご紹介します。
いずれは透析をと言われている方も、そろそろ透析をと言われている方も、ご参考になさってください。

~メディケアNJクリニックにて~

空ちゃん空ちゃん

こんにちは


清水清水

こんにちは、空ちゃん。今日も何か質問があって来たのかな?


空ちゃん空ちゃん

はい、そうです。私の父のことなんですが、このままだといずれは透析を考える必要があるってお医者さんに言われているみたいなんです


清水清水

すぐに透析を始める必要があると言われた訳ではないのよね?だったらあまり心配しすぎることはないと思うわ


空ちゃん空ちゃん

そうなんですか?でも今のうちにどんな透析治療を受けたらいいか、勉強しておこうと思って!


清水清水

そ、そう、用意周到というか、心配性というか…勉強熱心なのはいいことだと思うわ


空ちゃん空ちゃん

それで、透析って通院する方法と自宅でできる方法があると聞いたことがあるけれど、誰でもどちらでも選べるんだろうか。透析を始めたらどんな生活になるんだろう、仕事を続けるのは無理なんだろうか…って毎日悩んでいるんです


清水清水

そうなのね


空ちゃん空ちゃん

だから、教えてください!ベストオブ透析を!


清水清水

べ、ベスト?


空ちゃん空ちゃん

はい!よろしくお願いします

機械で血液をきれいにする血液透析

機能が低下した腎臓の代わりに機械を使って血液を浄化する方法で、専門の医療機関に通院して行います。
一般的に人工透析と言うと、血液透析のことが多く、実際ほとんどの患者さんが選んでいるのは、この血液透析です。
血液透析の大まかな流れをご紹介します。

①事前に腕の動脈と静脈をつないでシャントという太い血管を作る手術を受けます。このシャントが血液を採りだして送り込む場所になります。
②患者さんの血液を、シャントからダイアライザーという膜に送ります。
③ダイアライザーの中には膜をはさんで透析液が循環しています。
その中に小さな穴が無数に開いた薄い膜があり、小さな分子の老廃物は通しますが、赤血球やタンパク質などの大きな分子は通しません。
ですから老廃物(一部の電解質)は血液から透析液側へ、電解質は透析液から血液側へと移動します。
④きれいになった血液がシャントから患者さんの体の中に戻ります。
⑤このままの状態で約4時間過ごします。

血液透析は、週3回が一般的です。症状によっては、週に4回の患者さんもいらっしゃいます。透析の時間は基本的には約4時間ですが、体重の重い患者さんほど透析時間が長くなることが多いです。末期腎不全の患者さんは、血液透析を選ばれている方が多いので、治療の悩みなどを気軽に話せる透析仲間を作りやすく、さまざまな情報を得やすいというメリットもあります。

身体への負担を減らした血液透析

末期腎不全の患者さんがより長く元気に生活できるように、さまざまな血液透析があります。

①長時間透析

1回6時間以上の時間をかけて行う血液透析です。身体への負担を減らしながら、4時間の透析では除去できない老廃物を取り除くことができます。

②頻回透析

1回2~3時間の透析を1週間に6回行います。
透析を導入したばかりの頃に起こりやすい血圧の低下や頭痛など不均衡症候群を起こしにくい血液透析です。

③血液ろ過透析

血液透析だけでは除去できない老廃物も除去できる透析方法です。
心臓にかかる負担も少なくなります。

時間の使い方を工夫した血液透析

医療従事者の管理のもと行う血液透析は安心な反面、時間的拘束が多く、仕事との両立に悩む患者さんもいらっしゃいます。
そこで社会生活への影響ができるだけ少なくなるように、時間の使い方を工夫した血液透析を行っている医療機関もあります。

①在宅血液透析

自宅に透析装置を置き透析液を保管して、自宅で透析を行う方法です。
頻繁に通院しなくても自分の生活に合わせて透析を行えるので、自由度は高くなります。
しかし通院して行う場合のように医療スタッフの立ち合いはないため、透析のための準備や装置の操作、針刺し、片付けなど、すべて自分で管理し実行しなければなりません。
しっかりとした自己管理や家族の協力も必要になります。
また在宅血液透析も健康保険が適用されるので、自己負担額は通院して行う血液透析の場合と変わりません。
ただし透析装置を設置するために電気、水道工事が必要で、自宅の電気、水回り環境によって変わりますが、費用の目安は数千円~40万円程度です。
在宅血液透析導入後は、毎月の電気、水道代は1.5~2倍になります。
まだ実施例は少ないので、在宅血液透析をご希望されている方は実施している医療機関が近くにあるか調べておきましょう。

②オーバーナイト透析

夜間の睡眠時間に血液透析を行う方法です。
夜医療機関に出向き、就寝しながらそのまま朝まで透析治療を受けるので、日中の時間を有効に使うことができ、仕事との両立もしやすくなります。
透析時間も7~8時間の長時間となるので、身体への負担も少なくなります。

自分の腹膜をフィルターに使う腹膜透析

自分の腹膜を利用して血液をきれいにするのが腹膜透析です。
医療機関に通院して機械を使う必要はありません。
腹膜透析の大まかな流れをご紹介します。

①事前に腹部にカテーテルを埋め込む手術を行います。そのカテーテルを利用して透析液の交換をすることになります。
②カテーテルから透析液を腹腔内に入れます。
③透析液をお腹の中に数時間ためた状態で過ごします。その間血液中の老廃物などが透析液側に移行していきます。
④老廃物などを含んだ透析液を取り出して、新しい透析液に入れかえます。透析液の交換は1日3~5回。透析液の交換は30分程度でできます。

自宅や職場、外出先などでもできるので、仕事や家事との両立がしやすいのがメリットです。
通院も月に1~2回程度と、血液透析よりも時間的拘束は少なくなります。
しかし感染を防ぐ対策など自己管理をしっかりする必要があります。
また最近増えているのが血液透析と腹膜透析のハイブリッド型。
自宅で腹膜透析を行っている人が、週に1~2回通院して血液透析を受ける方法で、腹膜透析で十分に除去できなかった老廃物を血液透析で取り除く方法です。
腹膜透析を長く続けると、腹膜が劣化するので、腹膜透析ができるのは5~6年程度が限度。
その後は血液透析に移行することになります。
さらに腹膜透析はどなたでも選べるというわけではなく、腹部手術などを受けたことがある方は腹膜の癒着などで、できないケースもあります。

血液透析、腹膜透析のどちらにもメリット、デメリットがあります。
体調とライフスタイルに合わせ、主治医の先生とよく相談しながら、自分に合った透析方法を選びましょう。

清水清水

何がベストかは一概には言えないけれど、透析の種類や、血液透析と腹膜透析の特徴について、わかったかな?


空ちゃん空ちゃん

ありがとうございます!よくわかりました!私のベストはオーバーナイト透析ですね!


清水清水

あらそう?でも、特別な透析治療を行っているクリニックはまだまだ少ないから、そこは注意してね。
それに、透析を受けている時間を長く自由時間にできるから、その時間で映画を見まくって、映画コラムニストになったという人もいるわ。
何がベストな透析治療かは、その人が自分で選択すればいいと思うのよ


空ちゃん空ちゃん

そうなんですね。じゃあもし父が透析治療を始めることになったら、ちゃんと種類があることを教えて、選んでもらわなくちゃですね


清水清水

そうね。自分の生活の中に透析療法を受ける時間を組み入れる方法を主治医の先生ともよく相談して決めてね


空ちゃん空ちゃん

父には絶対元気で長生きしてほしいし、よく話し合います。それと私が家にいて手伝うことができれば、在宅血液透析でもいいのかなあとも思いました


清水清水

空ちゃんがいるからお父さんもきっと心強いと思うわ。空ちゃん、たくましいから


空ちゃん空ちゃん

ありがとうございます!今日教えてもらったことも、後でまとめて復習しておきます

まとめ

  • 人工透析には血液透析と腹膜透析の2種類があり、一般的なのは血液透析です。
  • 身体への負担を減らした長時間透析、頻回透析、血液ろ過透析もあります。
  • 時間の使い方を工夫した在宅血液透析、オーバーナイト透析などもあります。
  • 腹膜透析ができるのは5~6年が限度。その後は血液透析に移行になります。