腎臓の悪い方は、もし腎不全になったらどんな症状が起きるのか心配ですよね。
慢性腎臓病が進行して末期腎不全になると、腎臓は生きていくために必要な働きを果たせなくなっているため、尿の排泄がうまくいかなくなり、尿毒症などの症状が出てきます。
尿毒症になると、有害な老廃物を体外に排出できなくなるほか、体内の水分量や電解質などの調整もできなくなるので、命に関わる危険な状態になります。
そこでこの時期には機能を失った腎臓の代わりを果たす人工透析の導入が必要になります。
今回は腎不全になると体の中ではどんなことが起きているのか、どんな症状が起きるのか、ご紹介します。

空ちゃん空ちゃん

こんにちは、清水さん


清水清水

あら空ちゃん、こんにちは


空ちゃん空ちゃん

今日は末期腎不全になった時の症状について教えてもらいに来ました


清水清水

あら、空ちゃんのお父さん、まだ慢性腎臓病の診断も受けていないわよね?何か気になる症状でも出てるのかしら?


空ちゃん空ちゃん

いえ、今はまだそんなに自覚症状はないようなんですけれど。でも何か隠している気がするんです!だから私がいち早く見抜いて、適切な治療に導いてあげないと!


清水清水

……相変わらず治療に積極的ね。まあ症状の出方は個人によって差があるし、念のために詳しく知っておいた方が後で役に立つかもね


空ちゃん空ちゃん

その通りです! だから、末期腎不全はどんな症状が出るのか教えてください! 人工透析を考えなければならなくなるタイミングを知って、手遅れになるのを防ぐんです!


清水清水

空ちゃんのお父さんの場合は、まだ大丈夫だと思うけれど。じゃあ、病気が進行した場合の末期腎不全の症状について説明するわね


空ちゃん空ちゃん

はい! よろしくお願いします

末期腎不全とは、正常な人の15%以下まで腎機能が低下した状態です

慢性腎臓病は腎機能の状態によって5段階に分類されますが、最も進行したステージ5では、腎臓が腎臓としての働きを果たせなくなった末期腎不全の状態になっています。

腎臓の主な働きには
・老廃物を除去して血液をきれいにする。
・体内の水分と電解質のバランスを調整する
・ホルモンを作って血圧や貧血を調整する
・体内でビタミンDを活性化して骨を丈夫にする
等がありますが、末期腎不全になると、これらの働きをほとんど果たせなくなり、むくみや倦怠感、動悸、食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。
腎臓には再生能力がないため、末期腎不全になってしまうと回復は望めません。
腎臓の働きがゼロに近づくと命に関わりますので、腎臓の働きを代行する人工透析の導入が必要になります。

全身に症状が出る尿毒症

腎機能がほとんどなくなってしまった末期腎不全の状態では、血液の浄化が正常に行われないため、体中に有害な老廃物がたまっていきます。
そのため体中のあらゆる部分に機能低下が生まれ、直接腎臓とは関係のない全身に症状が出てきます。
これを尿毒症と言います。

尿毒症の主な症状は
(一般社団法人 全国腎臓病協議会ホームページより引用)

・脳…意識障害、けいれん、不眠、頭痛
・目…視力障害、眼底出血
・口…尿臭、歯肉出血、味覚異常、金属様の味
・顔…むくみ、黄土色、貧血様
・心臓…心肥大、心不全、心膜炎、動悸、高血圧
・肺…咳、息苦しい、肺水腫、胸水、大きな呼吸になる
・血液…尿素窒素・クレアチニン・カリウム上昇、貧血、酸性になる
・腎臓…尿量減少
・胃腸…食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、潰瘍
・皮膚…皮下出血、むくみ、色素沈着、かゆみ
・末梢神経…感覚異常、イライラ感
・骨…低カルシウム血症、高リン血症、骨病変

全身にさまざまな症状が出る尿毒症は早急に治療しないと命に関わる怖い病気です。

心血管疾患のリスクを高める高血圧

腎臓の働きが著しく低下すると、ナトリウムなどの成分調整が正常に行われなくなります。
その結果血液中のナトリウム量が増え、濃度を薄めようと体内に水分が溜まりやすくなり血液量が増加し、血圧が高くなります。
慢性腎臓病の患者さんは元々血圧が高い方が多いのですが、腎機能の低下でますます血圧が高くなるという悪循環に陥ることになります。
しかし、高血圧自体には自覚症状がほとんどありません。
放置しておくと心臓や脳の血管の動脈硬化をまねき、心筋梗塞や脳卒中など大変危険な疾患を起こしやすくなります。
必要に応じて降圧薬を使用しながら血圧をコントロールしていく必要があります。

体液量・イオンバランスの調整機能がなくなり、むくみが起きます

末期腎不全になると、腎臓は体液量や電解質の調整もできなくなります。
体液量の調整がうまくできなくなると、体内に余分な水分が溜まりやすくなりむくみが起きます。
また、イオンバランスがくずれると、疲れやすさや倦怠感、めまいなどの症状が現れます。

ビタミンDの活性化ができず骨が弱くなります

ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨に密着させて骨を丈夫にするビタミンです。
しかしビタミンDはそのままでは骨を丈夫にする働きはなく、腎臓の働きにより活性化ビタミンDが合成されてはじめてカルシウム吸収の役割を果たします。
つまり腎臓の働きが低下するとビタミンDの活性化ができず、骨が弱くなるのです。
この症状は慢性腎臓病の中期から現れるので、骨のもろさはじわじわ進むという特徴があります。

慢性腎臓病の進行、よって末期腎不全になると、全身に症状が出る尿毒症をはじめ、心血管疾患リスクが高まるなど、危険な症状を発症します。
患者さんの命を守るためには、機能を失った腎臓の働きを代行する人工透析の導入が必要になります。

空ちゃん空ちゃん

末期腎不全になると、本当にいろんな症状が現れるんですね……


清水清水

もし少しでも該当する症状があったら、注意が必要ね。症状には個人差があるから、現れる種類が少なくても、慢性腎臓病が進行してしまっていることもあるから


空ちゃん空ちゃん

父は、時々体がだるそうにしているし、それなのにちょっと腎臓が弱っているだけだからと、あまり真剣に考えていないんです。でも油断しているとどんどん悪くなっていろんな症状が出てくるんですね。父のことがますます心配になりました


清水清水

腎臓は悪くなっても、なかなか自覚症状が出ないから、お父さんのこと気をつけてあげてね


空ちゃん空ちゃん

はい、わかりました。とにかくこれ以上腎臓の状態を悪化させないように、末期腎不全になって人工透析が必要になるのが1日でも遅くなるように、食事療法をきちんとやるように言います


清水清水

そうね。食事療法はとても大切だから、空ちゃんアドバイスしてあげてね


空ちゃん空ちゃん

はい。そうします


清水清水

慢性腎臓病が進行して末期腎不全になるとどんな症状になるか下にまとめておいたから、お父さんにも教えてあげてね

まとめ

  • 慢性腎臓病がステージ5まで進行すると末期腎不全となり、さまざまな自覚症状が出てきます。
  • 末期腎不全になると、腎臓のろ過機能が働かなくなることで、尿毒症の症状が出てきます。
  • 心血管疾患の原因になる高血圧が進みます。
  • 体液やイオンバランスの調整ができなくなるため、むくみやめまいなども起きてきます。
  • 活性化ビタミンDが作られなくなるため、骨がもろくなります。