Q者

人工透析を始めたら、一生続けることになるのですか?


川田川田

ほとんどの場合、一度始めた透析治療はずっと続ける必要があります。
慢性腎臓病の場合、腎臓の働きは回復しないので、腎臓の機能がほとんどなくなってしまう末期腎不全の状態になると、機能を失った腎臓の働きを人工透析で代行しなければ命に関わってしまいます。


Q者

ということは、人工透析をしなければ生きられないということでしょうか?


川田川田

人工透析以外にも治療方法はあり、健康な腎臓を提供してもらう、腎移植手術が受けられれば透析の必要はなくなります。でも、日本では様々な条件がそろわないと受けることはできません。


Q者

透析を始めるとどんな生活になりますか? 毎日通う必要があるのでしょうか?


川田川田

大半の方が選ばれる血液透析の場合の代表例をご紹介します。
通院は週3回が一般的です。つまり、1日おきに病院に行って透析治療を受けていただきます。
ただ、最初から頻繁に透析を行うのも患者さんに負担が大きいので、まずは週1回ないし2回から始めることが多いです。その後、徐々に回数を増やして週3回、場合によっては4回という方もいらっしゃいます。


Q者

週4回になってしまうのはなぜでしょうか?


川田川田

個人差ということが言えますが、例えば糖尿病の方はあまり尿が出なくなるので、尿毒症を防ぐためにどんどん透析の回数が増えていく傾向があります。


Q者

透析の時間はどのくらいですか?


川田川田

1回の透析にかかるのは約4時間です。しかし、これも個人差があります。例えば、体重が重い人はそれだけ透析に時間がかかります。また、最近は5時間、6時間の長時間透析を受ける人も増えています。
透析時間だけでなく、病院への移動時間も考えなければならないので、これらを合わせると、ほぼ半日以上拘束されることになってしまいます。


Q者

週3回以上の通院は、とても大変そうで心配です。どうしてもそれだけの通院が必要になるのでしょうか?


川田川田

最初は皆さんそうおっしゃいます。
ただ、ほとんどの方は、ご家族や医療スタッフと相談して、できるだけ無理なく続ける方法を見つけていらっしゃいます。
通院回数が多いのは面倒なイメージもありますが、医師と透析患者がしっかりコミュニケーションできるメリットもあります。気になることや疑問点はいつでも主治医や病院のスタッフに確認できますし、体調管理もしやすくなりますよ!


Q者

続け方は相談しながらでいいんですね。ちなみに、血液透析以外にはどのようなものがあるのですか?


川田川田

血液透析以外では、腹膜透析がありますが、こちらも通院の必要があります。
ただし、腹膜透析は自宅でできる方法なので、通院は月に1~2回程度です。
おなかの中に透析液を入れ、自分の腹膜をフィルターとして使い、血液をきれいにする方法となっています。
毎日自分の生活の中で行える点は便利ですが、透析液の交換や消毒など自己管理が必要になります。
また腹膜をフィルターとして使えるのは5~8年程度で、その後は血液透析に移行することになります。血液透析よりも体への負担が少ないので、少しでも腎機能を長持ちさせたい方が選択する治療法となっています。


Q者

透析にもいろいろあるのですね。ずっと気になっていたのですが、血液透析での4時間の間は、どのように過ごすのですか?


川田川田

まずベッドに横になり、血液を取り出すための針と、血液を戻すための針を腕に刺します。
そしてそのままの状態で約4時間過ごします。
自由に動けなくなるのはつらいものですが、透析を受けている間の過ごし方は、患者さんによってさまざま。
テレビを見ている方もいらっしゃいますし、読みたい本をお持ちになる方も多いですね。
「この4時間は誰にも邪魔されず仕事に集中できるから」とベッド上でパソコンを広げている患者さんもいらっしゃいますよ。


Q者

それぞれ思い思いの過ごし方なんですね。ほかにも心配なことがあるのですが、透析を始めると旅行には行けなくなりますか?


川田川田

いいえ、そんなことはありません!
透析療法を受けている患者さんでも、旅行に出かけている方はたくさんいらっしゃいます。
ただし血液透析は1日おきに行う必要があるので、2泊以上の旅行の場合は旅先で透析を受けられる場所を事前に確認しておいてください。
旅行中の透析時間や医療機関も組み込んだ透析患者対象のツアーも販売されているので、それを利用するのも便利ですね。
海外旅行をするなら旅行先の医療機関がどんな対応をするかは調べておくことも必要です。


Q者

少しずつわかってきましたが、まだ気になることがあります! 食事についても制限を受けると聞いているのですが、好きなものは食べられなくなるのでしょうか?


川田川田

特定の料理が食べられなくなるというわけではありません。透析を始めることで、たんぱく質制限は少しやわらぎますが、リンやカリウムのコントロールが必要となります。
血液透析を始めると以前より老廃物を除去できるようになるので、たんぱく質は体重1㎏につき1日1.0g程度は摂ることができるようになります。
これは慢性腎臓病の初期、CKDステージG1、G2の患者さん達と同じくらいです。
しかし尿はほとんど出なくなるので、透析と透析の間には体内に水分が貯まりやすい状態になってしまいます。
医師の指導の下、適量を摂取してください。

 

透析治療に慣れるまでは、心配なことも多いと思います。
しかし毎日透析の現場で患者さん達とお会いしている私からは、どうぞいたずらに不安になり過ぎないでくださいね、とまずお伝えしたいです。
透析療法を始めたことで体調がよくなり、以前よりも毎日の生活を安心して楽しめるようになったという方も、たくさんいらっしゃるのですから!

まとめ

  • 慢性腎不全の場合は、人工透析を始めたら腎移植をしない限り一生続ける必要があります。
  • 人工透析には、血液透析と腹膜透析があります。
  • 血液透析は週3回、約4時間の通院治療が必要です。
  • 腹膜透析は自宅でできるので、通院は月1~2回。しかし自己管理が必要です。