腎臓が悪い方にとって心配なのが腎不全ですね。
腎不全とは、腎臓が体にとって必要な役割を果たせない状態になってしまうこと。
この腎不全は、腎臓の機能が急激に悪化する急性腎不全と慢性腎臓病の進行による腎不全に分けることができます。
徐々に腎臓の働きが弱くなる慢性腎臓病の腎不全は、末期腎不全まで進行すると透析治療が必要になる病気として知られていますが、急性腎不全も治療が遅れると命の危険がある怖い病気です。また、急性腎不全でも透析治療が行われることもあります。
さらに急性腎不全は、原因がどこにあるかで3種類に分類されます。
どんな時急性腎不全を発症しやすいのか。
急性腎不全になったらどんな治療をするのか。
腎臓の機能は回復するのか、それとも透析治療を受けることになるのか。
今回は急性腎不全についてご紹介しますので、ご参考になさってくださいね。

空ちゃん空ちゃん

こんにちは~清水さんはいらっしゃいますか?


清水清水

はい、私が清水ですが。どうしましたか?


空ちゃん空ちゃん

この前ここで、高瀬さんに、腎臓や透析のことを教えてもらったんですけど。
もっと詳しく聞きたかったら清水さんを訪ねてみるといいよって高瀬さんからお聞きしたんです。


清水清水

あ、聞いてる、聞いてる。あなたが空ちゃんね。看護学校の学生さんで、確かお父さんが腎臓が悪いんですよね? いいわよ。何でも聞いてくださいね。


空ちゃん空ちゃん

では、腎臓病について調べていると、急性腎不全という病気が気になったのですが、急に腎臓が働かなくなる病気なんですか? 私の父は急性腎不全にも気をつけたほうがいいのでしょうか?


清水清水

急性腎不全は、慢性腎臓病の患者さんが特に発症しやすいというわけではないから、心配しないで大丈夫よ。
でも、誰にでも起こる可能性がある病気なので、知っておいたほうがいいわね。


空ちゃん空ちゃん

そうなんですね。お願いします!


清水清水

急性腎不全と一口に言っても、原因がどこにあるかで3種類に分かれるのよ。それぞれ原因が違うので、一つひとつ説明しますね。


空ちゃん空ちゃん

ありがとうございます。よろしくお願いします。

治療が遅れると命に関わることもある急性腎不全

急性腎不全はその名の通り、発症してから数日間、時には数時間のうちに急激に腎臓の機能が悪化するのが特徴です。
腎臓のろ過機能が低下するため、体外に排出されるべき老廃物が体内に溜まり、水分や血液のバランスを保つことができなくなってしまいます。
特に発症しやすいのは高齢者。治療が遅れると命に関わることもある怖い病気です。
また急性腎不全を繰り返すことで、慢性腎臓病を発症・進行することも。
早期に適切な治療を行えば腎臓機能は回復しますが、腎機能が回復せず生命に関わる時は緊急で透析治療を行うケースもあります。
この急性腎不全は、原因がどの部位にあるかで『腎前性』『腎性』『腎後性』の3つに分類されます。
1種類ずつご紹介していきますね。

誰にでも起きる可能性がある腎前性腎不全

急性腎不全の中で最も多いのが、腎前性腎不全です。
腎臓への血流が悪くなった場合に起きるため、原因が腎臓より前の部分にあるという意味で腎前性腎不全と呼びます。
ではなぜ血流が悪くなると、腎不全が起きるのでしょうか。
心臓に血液が行かなくなったら心筋梗塞、脳への血流が阻害されたら脳梗塞という重篤な病気が起きるように、血流は臓器にとっていわば生命線。
これは腎臓にとっても同じことで、健康な人なら常時体内の血液の約5分の1が流れ込んでいる血流が減少してしまったら、腎臓は大きなダメージを受ける上に、尿も作れなくなってしまいます。
例えば事故や手術で大量出血した時、心筋梗塞などで血圧が急激に下がり腎臓に流れてくる血液が少なくなった時は、この腎前性腎不全を起こしやすくなります。
つまり元々腎臓自体に異常がなくても発症するので、誰にでも起きる可能性がある病気なんです。
そして普段はお元気な方でも発症するのが、腎前性腎不全の怖いところ。
特に夏場気をつけたいのは、熱中症による腎前性腎不全です。
もし体がだるく頭がぼんやりとするようなら、熱中症によって脱水状態になり急性の腎障害が起きている可能性もあります。
特に高齢者の場合は気がつかないうちに脱水が進んでいることも。
逆に冬場も風邪やインフルエンザなどによる脱水症状が原因で腎障害を起こすことがあるので注意してくださいね。
腎前性腎不全の場合は腎臓の機能そのものは破壊されていないので、点滴や輸血で血圧を上げて腎臓への血流を回復させて治療します。
症状によっては利尿剤を用いることもあります。

尿路の詰まりが原因になる腎後性腎不全

腎臓の後の部分、つまり尿の通り道が何らかの原因で詰まってしまうことから発症するのが腎後性腎不全です。
原因は前立腺肥大や前立腺がん、膀胱がん、尿路結石などによる尿路の異常。
尿を排出できなくなることで、腎臓に尿が溜まってしまい、ダメージを受け、尿を作る働きも止まってしまう病気です。
治療はまず尿路をふさいでいる原因を見つけることから始まります。

尿細管に問題があることが多い腎性腎不全

腎臓そのものに原因があって起きるのが腎性腎不全です。
尿のもとである原尿から尿を作っている尿細管という部位に問題があるケースが多く、急性尿細管壊死とも呼ばれます。
原因はがんや感染症、腎炎など。
また血管造影剤や抗菌薬、抗ウイルス薬、抗がん剤などの薬物が尿細管の細胞にダメージを与えたことで発症することもあります。
治療は原因となっている病気を見つけ、腎臓に悪影響を与えている薬物の使用を中止することから。
また腎臓の負担を軽くするため、低タンパク質、減塩、低カリウムなどの食事療法も行います。

急性腎不全は早期の治療が決め手

急激に腎臓の機能が低下する急性腎不全は、早期の治療が非常に重要です。
速やかに適切な治療を受けられれば腎臓機能は回復しますが
遅くなればなるほど生命にも関わり、腎臓の機能が元に戻らないことに。
腎臓の機能が回復しない場合は、人工透析が必要となります。

清水清水

どう? 急性腎不全の種類、わかったかな?


空ちゃん空ちゃん

原因がどこにあるか、腎臓の前か、腎臓の後か、腎臓そのものか、その3種類で分かれるんですね。よくわかりました。


清水清水

急性腎不全は高齢者に起きやすいから、お父さんよりも、特にお祖父さんやお祖母さんに注意が必要なのよ。
お年寄りは自分で脱水症状に気づかないことも多いから、周りの人が気をつけてあげてね。入院中の方なら病院のスタッフが気づいてすぐに対応できるけれど、ご自宅で過ごされている高齢者の方はご家族だけが頼りなのよ。


空ちゃん空ちゃん

はい! わかりました。


清水清水

疑問に思うことはいつでも聞きにきてね。下にまとめておいたから、後で復習しておいてね!


空ちゃん空ちゃん

ありがとうございます! また聞きにきますね! それでは、また!

まとめ

  • 急性腎不全とは急激に腎臓の機能が低下した状態です。
  • 原因がどの部位にあるかで3種類に分類されます。
  • 早期の治療で腎臓の機能を回復させることができます。
  • 腎機能が回復しない場合は透析療法を行うこともあります。